失敗から学ぶ~司会者に本当に必要な3つの力~

ある司会者が、披露宴会場からご指摘を受けました。

披露宴は2時間半と決まっているにもかかわらず、

結果として1時間半も延びてしまったのです

多少の誤差はもちろんあります。
私も時々やらかします(苦笑)

でも1時間半の延長は、やはり大きな問題です。

会場には次の利用もありますし、

スタッフの動きや全体の流れにも影響します。

司会者は「話す仕事」ではありますが、

実はそれ以上に“全体を整える仕事”でもあります。

 

 

① できること・できないことを伝える力

披露宴当日の数日前に進行の追加が入り、

断れなかったそうです。

新郎新婦の希望を叶えたい気持ちは、とてもよく分かります。


でもプロとしては、

「今から追加すると、時間が押してしまう可能性があります」

「どこかを調整すれば可能です」

と、状況を丁寧にお伝えする責任があります。

優しさとは、

すべてを引き受けることではなく、

現実をきちんと共有すること。

それも信頼の一つだと思うのです。

② 話す力よりも、聞く力

司会者は上手に話せて当たり前。

それ以上に大切なのは、

・相手の本音をくみ取る力

・言葉の奥にある想いを感じ取る力

・状況を整理する力

だと思っています。

新郎新婦と担当のブライダルプランナーさんとは
数回の打合せがあり、時間をかけて関係を築きます。

しかし司会者は、

通常は1~2時間の打合せ1回。
そこで、信頼を得なければなりません。

だからこそ、

「何を本当に大切にしたいのか」を聞き取り、

形にしていく力が求められます。

これって、なにも司会業に限ったことではないですよねー。

③ コンディションを整えることもプロの仕事

今回の司会者は、

体調に少し不安を抱えていました。

誰にでも波はあります。

気持ちが揺れる日もあります。
私も、そのようなことは時々あります。
声が出なくなって大ピンチ!ってときもありました。

でも、

お二人にとって大切な一日を任せていただく立場として、

当日の責任を果たせる準備を整えることも、

プロの大切な役目です。

自分を整えることも、仕事のうち。

コンディションが整っていないと
判断が鈍ったり、
お客様への適切なパフォーマンスが下がってしまうこともあります。

(ちょっと自分への自戒の念もあり)

聞くだけではなく、整える

司会者は、目の前の方の話をよーく聴きます。

でも、聴くだけでは進行は完成しません。

・できること

・難しいこと

・調整が必要なこと

それを整理し、現実的な形に落とし込む。

そしてプログラムがいっぱいの時は、

あえて言葉を削る勇気も必要です。

今、ブログを書いていて思いました。

「上手に話す」よりも、

「削る判断」の方が難しいのかもしれません。

けれど、プロとして司会をする以上は
全体を見て総合判断をする力を持っていなければって思うのです。

今回のことで・・・

失敗は誰にでもあります。
私も沢山失敗をしてきました。

大切なのは、その後どう向き合うか。

その司会者と、約2時間ほど一緒に振り返りをしました。

気付いたのは、

心の余裕がないこと。
笑顔が少ないこと。(失敗した後だから当たり前ですが)
表現の引き出しが、まだ十分ではないこと。

これはプロとしてマイナスなことです。

■ 信頼とは、時間を守ること

司会は感動を作る仕事ではありますが

同時に“オペレーション”の仕事でもあります。

時間を守る。

流れを守る。

会場全体を守る。

それができてこそ、

はじめて“感動”を語る資格があるのだと思います。

プロとは、

失敗を次の精度に変えていける人。
そう信じています。

失敗も、経験も、すべては次の成長へ。

その先にいるおふたりが、

心から安心して笑顔になれるように。

その一日を支える存在でありたいと、私は思います。

司会者の仕事とは、

お客様の笑顔を守ることだと。

今回のことは私にとっても、自分を振り返る良い機会になりました。